退職代行を使って会社を辞めるのは非常識?「ありえない」と言われる理由と本当のところ

この記事の対象者

この記事は以下のような方が対象です。

  • 退職代行サービスの利用を考えているが、「非常識」「ありえない」と思われるのではと心配している方
  • 退職代行を使うことに罪悪感を感じており、利用すべきか迷っている方
  • 退職を申し出ても会社が受け入れてくれず、悩んでいる方
  • パワハラやブラック企業で精神的に限界を感じている方

はじめに

近年、退職代行サービスの利用者が急増しています。
この背景には、働き方の多様化や労働環境の変化があります。
しかし、一部では「退職代行を使うなんて非常識だ」「ありえない」という声も。

勿論、退職代行を使うのが非常識かどうかは各自がどう捉えるかにかかっており、絶対的な答えなどありません。
非常識だとみなすのもそれはそれで一つの真っ当な意見ではあります。

しかし、当サイト(退職図鑑)では退職代行を使わざるを得ないようなひどい環境で働かされてきた人などを沢山見てきました。

保育園を退職代行で退職。その後入ったブラック派遣会社からも脱出する20代女性からのメッセージ

2022年2月11日


そういった人たちは実際にやり取りしてみると、ごく常識的な人ばかりでした。
なので、当サイトの編集部の意見としては、退職代行を使う=非常識とはみなしていません。

以上の事情などを踏まえ、本記事では、退職代行を使うことが本当に非常識なのか、その理由と真相に迫ります。

退職代行を利用することは非常識なのか

退職代行利用者が「クズ」や「ありえない」と言われる理由

突然の退職で職場に迷惑がかかるとの考え

退職代行を使って急に辞めてしまうと、引き継ぎが不十分となり、職場に迷惑がかかると考える人もいます。
特にチームで動いているプロジェクトの場合、一人抜けるだけでスケジュールが大きく狂うこともあります。

例えば、重要なプロジェクトの締め切り直前にメンバーが退職代行を使って突然辞めてしまった場合、残されたメンバーはその分の業務をカバーしなければならず、大きな負担となります。

挨拶なしで辞めることへの非常識だという声

退職時にはお世話になった人々への感謝を伝えるのが礼儀と考える人も多いです。
直接の挨拶がないまま退職すると、「礼儀知らずだ」「非常識だ」と感じる人もいます。

例えば、長年一緒に働いてきた同僚が、何の挨拶もなく突然いなくなったら、寂しさや戸惑いを感じるでしょう。

「直接伝えるべき」という価値観の存在

日本のビジネス文化では、大切な話は直接 face-to-face で伝えるべきという価値観が根強くあります。
そのため、第三者を介して退職の意思を伝えることに抵抗を感じる人もいます。

例えば、結婚や離婚といった重要な話を直接伝えずにメールや代理人を通じて伝えるのは失礼とされるのと同じ感覚です。

とはいえこれは主観的な基準なので、人によっては考慮するに足りないと感じることもあるでしょう。

退職できない?退職代行を利用する際のリスクと注意点のまとめ

法的な観点から見た退職代行の適法性

退職代行サービスを利用すること自体は違法ではありません。
労働者には退職の自由があり、その意思をどのような手段で伝えるかは法律で制限されていません。

例えば、郵送で退職届を送ったり、メールで退職の意思を伝えたりすることも合法です。
それと同様に、退職代行業者を通じて意思を伝えることも問題ありません。


退職代行を使うことの正当な理由

仕事を無断で辞めるよりも誠実である

何の連絡もなく無断で欠勤する「バックレ」は、会社に多大な迷惑をかけます。
それに比べて、退職代行を利用して正式に退職の意思を伝える方が、はるかに誠実な対応です。

例えば、連絡が取れなくなった社員の安否を心配する会社も多く、警察に捜索願いを出すケースもあります。退職代行を使えば、少なくとも会社側に状況を伝えることができます。

精神的負担を軽減し健康を守る

職場でのパワハラや過重労働で心身ともに疲弊している場合、自分で退職の意思を伝えることが大きな負担となります。
退職代行を利用することで、そのストレスから解放されます。

例えば、上司からの叱責や嫌がらせが日常的にあり、精神的に追い詰められている状況で、直接退職を申し出るのは難しいでしょう。

会社側に問題がある場合の対処法として

会社が退職を認めない、引き留めが強引であるなど、労働環境に問題がある場合、退職代行は有効な手段です。

例えば、「人手不足だから辞めさせない」「代わりを見つけるまで辞めるな」と違法な要求をしてくる会社もあります。

退職代行を利用すべきシチュエーション

ブラック企業で退職を拒否されている場合

法的には労働者は自由に退職できますが、一部のブラック企業ではそれを無視して退職を拒否するケースがあります。

例えば、退職届を出しても「受け取れない」の一点張りで、話し合いにならない場合です。

強引な引き留めで自力では辞められない場合

上司からの執拗な引き留めや圧力で、自分では退職を切り出せないこともあります。

例えば、退職の意思を伝えると「責任感がない」「裏切り者だ」と非難され、精神的に追い込まれるケースです。

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有給休暇や未払い賃金の交渉が必要な場合

退職時に有給休暇の消化や未払いの残業代など、会社との交渉が必要な場合、退職代行がサポートしてくれます。

例えば、会社が「有給休暇は使えない」「未払いの残業代は払わない」と言ってくる場合でも、退職代行業者を通じて合法的に請求できます。

ハラスメント被害を受けている場合

パワハラやセクハラなどの被害を受けている場合、加害者と直接対峙するのは困難です。
退職代行を使うことで安全に退職できます。

例えば、上司からの性的な嫌がらせを受けており、直接話すのが怖い場合でも、退職代行が間に立ってくれます。

即日退職を希望する場合

精神的・肉体的に限界を感じており、すぐにでも退職したい場合、退職代行は即日の退職手続きをサポートします。

例えば、連日の長時間労働で体調を崩し、このままでは病気になってしまうと感じている場合です。

退職代行を利用しない方がよい場合

退職代行利用を後悔しそうなとき

退職後に「あの人たちにちゃんと挨拶しておけばよかった」「直接謝罪や感謝を伝えたかった」と後悔する恐れがある場合は、自分で退職を申し出る方が良いかもしれません。

例えば、仲の良い同僚やお世話になった先輩がいる場合、直接お礼を言うことで円満に退職できます。

金銭的負担が大きいと感じる場合

退職代行サービスには費用がかかります。
経済的に余裕がない場合、負担となるかもしれません。

例えば、退職代行の費用が数万円かかるため、次の仕事が決まるまでの生活費に影響が出る場合です。

地域や業界での噂を気にする必要がある場合

コミュニティが狭い地域や業界では、退職代行を利用したことが噂になる恐れがあります。
次の職場で不利になる可能性も考慮しましょう。

例えば、同業種内で転職を予定しており、前職の評判が重要となる場合です。

退職代行に対する世間の意見

賛成派の主な意見とその理由

賛成派の主な意見とその理由
  • 労働者の権利を守るために有効:会社が違法な対応をしている場合、退職代行は労働者を守る手段となる。
  • 精神的負担の軽減:ハラスメントや過重労働で苦しんでいる人が救われる。

反対派の主な意見とその理由

反対派の主な意見とその理由
  • 責任感の欠如:「最後まで自分で責任を持つべきだ」という意見。
  • 社会人としてのマナー違反:「直接伝えるのが礼儀」という価値観。

他者の意見との向き合い方

他人の意見はさまざまですが、最終的に自分の健康や人生を優先することが大切です。
他者の批判よりも、自分の状況を冷静に判断しましょう。

例えば、「非常識だ」と言われても、その人はあなたの辛さや状況を理解していないかもしれません。

トラブルを避けるための退職代行サービスの選び方

適正な料金とサービス内容の確認

極端に安い料金の業者は注意が必要です。
相場と照らし合わせて適正な料金か確認しましょう。

例えば、相場が2〜3万円のところ、1万円以下でサービスを提供している場合、サポートが不十分な可能性があります。

実績や評判が良い業者を選ぶ

過去の実績や利用者の口コミを調べて、信頼できる業者を選びましょう。

例えば、退職成功率が高く、利用者の満足度が高い業者は信頼性があります。

運営元(労働組合・弁護士・民間企業)の違いと特徴

  • 弁護士:法律トラブルにも対応可能だが、費用が高い。
  • 労働組合:交渉力があり、費用も抑えられる。
  • 民間企業:手軽だが、対応範囲が限られる。

自分の状況に合った運営元を選びましょう。

非弁行為のリスクを避けるためのポイント

法律に触れる行為を行う業者は避けましょう。
非弁行為を行う業者に依頼すると、トラブルの原因になります。

例えば、有給休暇の請求や未払い賃金の交渉は、弁護士や労働組合でないと合法的に行えません。

退職代行を利用する際の注意点

会社からの連絡や指示への適切な対応

退職手続きに必要な書類の提出や会社からの指示には迅速に応じましょう。

例えば、健康保険証の返却や退職届の提出を求められた場合、速やかに対応することでトラブルを防げます。

引き継ぎ資料の準備と提供

可能であれば、後任者のために引き継ぎ資料を作成しましょう。

例えば、自分の担当業務のマニュアルや取引先の連絡先リストを作成しておくと、残された同僚も助かります。

SNSやインターネットでの情報発信に注意する

会社や上司の悪口をSNSに投稿すると、名誉毀損で訴えられるリスクがあります。

例えば、思い余って会社の実名を出して誹謗中傷の投稿をすると、法的トラブルになる可能性があります。

退職後の会社の反応と実情

多くの場合、退職代行を使われた会社側は淡々と手続きを進めます。
感情的な反応は少なく、業務として処理されることがほとんどです。

例えば、退職代行からの連絡を受けた人事担当者は、「了解しました。手続きを進めます。」と事務的に対応します。

参考までに、退職代行業者が実際に会社に退職意向を伝えている様子のYoutube動画もあるので、良かったら是非見てみてください。



まとめ

退職代行を利用することは、決して非常識でもありえないことでもありません。
自分の健康と人生を第一に考え、必要であれば退職代行を活用しましょう。
他者の意見に惑わされず、自分にとって最善の選択をすることが大切です。

辛い職場を我慢し続けることは、あなたの人生や健康にとってマイナスです。勇気を持って一歩踏み出し、新しいスタートを切りましょう。

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